感覚障害、運動障害のある片まひの人の口腔ケア

実践!口腔ケアマニュアル

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脳卒中(脳血管障害)の後遺症として、体の片側がまひしてしまうのが「片まひ」です。
片まひのある人は嚥下障害や構音障害(ろれつが回らない)、失語症等も発症することが多いといわれています。口のなかでも舌やほおの筋肉の動きが低下するので、まひ側に食べかすが残っていても気づきにくくなります。そのため、片まひの人には工夫した口腔ケアが必要になるのです。

●鏡で見てまひ側を意識してもらう
片まひの人は、まひ側の物が見えていても認識できない場合があえいます(多くは左まひの場合)。この場合は、介護者が手鏡を使ってまひ側を見せ、まひしている部分を意識できるようにしてください。そうすることにより、食事や口腔ケアがスムーズにできるようになります。
また、ブクブクうがいをするときに口から水が吹き出してしまうこともあるので、周りが濡れてもいいように準備をしておきましょう。

●持ちやすい歯ブラシを
市販の歯ブラシに持ちやすいものがない場合には、福祉専用の柄が輪になっているものを使うとよいでしょう。ほかにも、柄にスポンジやタオルを巻く、割り箸をゴムで取り付けて柄を長くする、柄の部分をガスバーナーなどで曲げて角度を変えるなどの工夫を施し、利用者に合った持ちやすい歯ブラシの柄を作ります。
利き手がまひしていると、歯ブラシを上手に使えなくなるため、電動歯ブラシを使うのも1つの選択肢です。しかしまひが軽い場合は、まひ側の手で普通の歯ブラシを持って磨くことがリハビリにもつながります。
座れない場合は、まひ側を下にして横向きに寝て、まひのない手で歯磨きをします。座れるなら、まひ側にクッションをあてて体のバランスを保ち、机の上に置いた鏡を見ながら磨きます。

●うまく噛めない場合は歯科医へ
強い片まひが残ってしまった人は、まひ側のあごの骨が委縮することにより、入れ歯が合わなくなる場合があります。筋力の低下により入れ歯を押さえる力も弱まるので、外れやすくなるのです。さらに嚥下障害を併発している場合も多いので、入れ歯のトラブルは一刻も早く解消すべきです。

まひのある方は自分で十分なブラッシングができないため、自分でも気づかない間に口腔状態が悪化していることがよくあります。最低でも年に1回の口腔健診と早めの治療が、安全に食べられる環境整備の第一歩となります。

「感覚障害、運動障害のある片まひの人の口腔ケア」のまとめ

ここがポイント
  • 感覚障害、運動障害のある片まひの人の口腔ケアでは、
    1.鏡で見てまひ側を意識してもらう
    2.持ちやすい歯ブラシを使う
    3.うまく噛めない場合は歯科医へ

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