口腔粘膜の清掃用品

実践!口腔ケアマニュアル

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気管支炎・肺炎は、日本の死因別死亡率の第4位です。死亡率と年齢の関係でみると死亡者の九割余りが65歳以上の高齢者で、特に72歳以上の肺炎患者では、発症者における死亡率は急激に増加します。その多くが、誤嚥によって口のなかの細菌が肺まで到達し炎症を引き起こす誤嚥性肺炎です。加齢により唾液の分泌量が少なくなると、口腔内の清潔度も低下して各種の細菌が繁殖するようになります。

口腔ケアが適切に行われると、口腔内の汚れは取り除かれ、唾液の分泌も促進されて自浄作用も働いて、口腔内分泌物は清浄化されます。その結果、口腔や咽頭粘液が微少吸引によって下気道に流れ込んでも、すぐに肺炎を発症する可能性は少なくなります。

口腔ケアは歯だけでなく、特に口腔粘膜の清掃が重要です。口腔(口からのどにかけての部分)は、すべて粘膜に覆われていますが、その粘膜は場所によって大きく性状が異なります。

歯肉や上あごの部分の粘膜は硬く、骨と結合しているため動きません。一方、唇、頬、のどの入り口、舌の付け根の裏等の粘膜は軟らかく、可動性があります。食べ物のカスは、唇の裏の粘膜と歯肉に挟まれる狭いUの字の空間(口腔前庭)、さらには、下あごの歯肉と舌がつながっている部分にもたまりやすくなります。

粘膜の清掃法には、食べ物をかみ砕くときにだ液の自浄作用で洗い流す機能的清掃法と、洗口剤や消毒薬で口のなかを洗浄する化学的清掃法、さらにはガーゼやスポンジ、ブラシ等に水や洗口剤を含ませて粘膜をぬぐう機械的清掃法があります。歯を磨くための歯ブラシは粘膜を傷つけるので使いません。

機械的清掃法のために、次のような口腔ケア用品がありますが、ケアの部位や目的にあったものを使うようにしましょう。

綿(綿球、綿棒等)
柔らかく、どの部位にでも使えますが、洗浄効果は低くなります。
ガーゼ、不織布
綿より汚れをとりやすいが、使用感は綿に劣ります。
スポンジ
綿やガーゼより清浄効果は高いですが、使い捨てなのでやや高価です。
粘膜用ブラシ
細く柔らかい毛で、毛束を増やして清掃効果を高めているもので、ブラシ部分が球状になっているものもあります。滅菌をすることで再利用が可能です。

スポンジ製のものを水洗いしただけで何度も使っている方を見受けることがありますが、これでは、使うたびに雑菌を口のなかに塗りつけているようなものです。口腔ケア用品は多くが使い捨てですから、正しく使いましょう。

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「口腔粘膜の清掃用品」のまとめ

ここがポイント
  • 口腔ケアは歯だけでなく、特に口腔粘膜の清掃が重要
  • ケアの部位や目的に合わせて、綿、ガーゼ・不織布、スポンジ、粘膜用ブラシを使い分ける

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