コミュニケーション支援ツール

実践!口腔ケアマニュアル

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口腔ケアをしようとしても、なかなか口を開けてくれない、歯ブラシを噛んでしまって歯磨きができないなど、介護の現場では本当に困ってしまう利用者の方がいます。訪問診療を行っている歯科医師の先生方も同じように、患者さんの協力が得られず困ってしまうことがあります。

歯科の訪問診療で最も多い治療は義歯関連のものです。そのなかでも〝歯科医師泣かせ〟と言われているのが、コミュニケーションを取りにくい患者さんの総義歯の治療なのです。

総義歯は、簡単に言えば気圧と口腔周辺の筋肉の力で口のなかにとどまっているものです。例えるなら吸盤が滑らかな面に吸い付くように、総義歯は内面に空気が入らないようにして口腔内の粘膜に吸い付けているわけです。そのため、義歯のふち(辺縁)の形や長さが非常に重要になります。また唇や頬、舌等の筋肉の力によって義歯をとどまる方向に押し付けているので、さらに義歯の周りを塞いで空気が入らないように義歯の外側の歯肉部分の形も非常に重要です。このように精密にできている総義歯を新製したり、調整するには、患者さんの協力がないとうまくできません。

総義歯の作製は印象採得(型を採り)、咬合採得(かみ合わせを取得すること)、試適(仮付けして診査すること)、セットというプロセスを踏みますが、その全ての段階で患者さんの協力が必要です。例えば、印象を採るときには、患者さんにやってもらわなければならない動作があります。口笛を吹くように口を尖らすこと、イーと口を横に引っ張るようにすること、上の唇をなめてもらうこと、舌で前歯部蝋堤の裏を押してもらうことなどの動作です。

訪問診療の患者さんには脳血管障害で失語症になった方や認知症等でコミュニケーションが困難な方が多くいます。このような方のために、日本訪問歯科協会では診療を円滑にするためのツールとしてコミュニケーション・ボードを用意しています。

これには痛い、苦しい、悲しい、嬉しいなどの感情を示したイラストがいくつも描かれていて、不具合や痛みのある場所等を指差すことで、自分の意思を簡単に伝えられるようになっています。

歯科治療だけでなく、口腔ケアを行うときにも使えるので介護の現場でもきっと役立つでしょう。ご希望の方にはお分けしているので、当協会へお問い合わせください。

「コミュニケーション支援ツール」のまとめ

ここがポイント
  • コミュニケーションの難しい患者さんの総義歯の治療は、歯科医師泣かせ
  • コミュニケーション・ボードを活用することで治療が円滑になる

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