認知症の方の注意点

実践!口腔ケアマニュアル

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訪問診療を行う歯科医師や歯科衛生士が患者さんの様子を観察するポイントの1つが患者さんの「うがい」です。うがいというと、上を向いてガラガラとのどを鳴らすうがい(ガラガラうがい)を想像するかもしれませんが、観察するのは、ほおをふくらませてブクブクするうがい(ブクブクうがい)です。

高齢者の場合、ガラガラうがいをするのは、誤って気管に入って誤嚥するリスクがありますから、意識レベルが低下している人や、片麻痺等の感覚障害、運動障害が強い人の場合は避けるべきです。また、寝たきりで上半身を起こすことができない場合には、どちらのうがいもできません。

認知症の方のなかには、歯磨きしたかどうかを忘れてしまう人がいますが、症状が進行すると歯磨きの方法まで忘れてしまうようになります。例えば、歯ブラシの使い方がわからなくなったり、うがいの際の水の吐き出し方がわからなくなったりするのです。専門家は、うがいの様子で認知症の程度や体の状態を確認し、患者さんの状態に合った治療や口腔ケアの方法を検討しています。

物事を認識することができなくなっても、長年の生活習慣は身についているようで、認知症が進んでいても、洗面台に向かうと、いつものように歯ブラシを取り、いつものところに置かれたコップに水を注ぐことができる人もいます。しかし、このような場合でも介護者に注意していただきたいのは、紛らわしいものを近くに置かないということです。例えば洗顔剤やハンドクリームなどのチューブに入ったものは、歯磨き剤と間違えてしまうことが多いので、一緒に置かないようにします。

認知症の方のなかには、自分が入れ歯をしていること自体を忘れてしまっている人もいます。こういうときは、家族や介護者が入れ歯を外すように言っても「入れ歯なんて入れていない」と頑なに拒否されることがあります。しかし、歯科医師や歯科衛生士にはすんなりと従うことが多いので、無理強いはせず、専門家と連携するとよいでしょう。

認知症になる前から入れ歯をしていた人は、新しい入れ歯を作っても比較的すんなりと受け入れることが多いようです。しかし認知症になってから初めて入れ歯をした人は、口に入れてくれないことがあります。入れ歯を見ても口のなかに入れるものだと理解できないためかもしれません。

必ずしも入れ歯を入れなければならないわけではなく、入れ歯を使わないという選択もあります。認知症の方の場合には、新しく入れ歯を作る前に、歯科医師と相談し、入れ歯を使えるか、入れ歯を作らないで食べられる方法があるかをよく話し合うことが大切です。

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「認知症の方の注意点」のまとめ

ここがポイント
  • 認知症患者の場合、ブクブクうがいの様子で認知症の程度や体の状態を確認する
  • 認知症患者が新たに入れ歯を作る場合は、歯科医師に事前に相談すること

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