アメリカの医療・介護連携のキーマン

実践!口腔ケアマニュアル

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ロサンゼルスにあるケイロウ中間看護施設のお話をしましょう。この施設は入所者数が90名。日本語を話すスタッフと日本食のサービスが特徴で、入所者のほぼ全員が日系人です。

入居費用は4人部屋を利用の場合、1日175ドル。病気になって入院する場合等、退院後に戻ってくる場合にはベット・キープ料として1日につき145ドルの費用がかかります。かなり高額ですが、総資産が2000ドルを下回った人はメディキャルと言われるカリフォルニア州のメディケイド(低所得者向け公的医療保険)に加入でき、費用はその保険から支払われます。この施設の場合、入所者の65%がメディキャルを利用しているということです。

口腔関連に関しては、入所者には年に1回の口腔健診が義務付けられており、ほかにも必要に応じて、外部の訪問診療を行っている歯科医院の治療が受けられます。入所の際にあらかじめ登録しておいた歯科医師か、施設が懇意にしている歯科医院に依頼することになります。訪問診療に要する費用は、ほとんどがメディキャルでカバーできます。

訪問診療を依頼すると、概ね3日以内に歯科医師が訪問しますが、すぐには治療に入れません。メディキャルを使うために、訪問後、歯科医師が作成した治療計画を提出し、治療計画と費用についての承認を受けなければならないからです。通常、治療計画は2、3日で承認されるので、往診の依頼から治療開始までの目安は1週間程度です。

訪問診療を行っている日本の歯科医師が持っている悩みの1つが、医科、介護との連携です。例えば主治医との連携や診療情報提供、家族・ケアマネへの連絡に時間がかかり過ぎるのです。

アメリカには、このような悩みを解決してくれるキーパーソンがいます。それが〝ソーシャルサービス〟という介護施設の担当者です。アメリカの高齢者入所施設では、120床以上の施設には1名以上のフルタイムの〝ソーシャルサービス担当者〟を配置することが義務付けられています。

入所者に訪問歯科が必要になった場合には、このソーシャルサービス担当者が訪問歯科の依頼、主治医への情報提供等を行うのです。またメディキャルを利用する際に、医師が立てた治療計画を州へ提出するのもソーシャルサービス担当者です。

日本にもソーシャルサービス担当者のような機能が設置されれば、医科・歯科・介護の連携は非常に円滑になるでしょう。

「アメリカの医療・介護連携のキーマン」のまとめ

ここがポイント
  • アメリカでは、介護施設の入所者に年1回の口腔健診が義務づけられている
  • 医科、介護との連携はソーシャルサービスという施設の担当者が歯科医師への依頼、主治医への情報提供を行う

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