通所系介護事業所の口腔機能向上サービス

実践!口腔ケアマニュアル

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介護保険制度のなかで介護事業所が提供する口腔管理に関するサービスの制度は、通所系サービスの提供する口腔機能向上加算と、施設サービスの提供する口腔機能維持管理加算があります。

入所施設では協力歯科医がいるため、定期的な口腔健診が実施されているケースが多く、歯科訪問診療を受けることも容易です。一方、通所サービスの利用者は、自分の意思だけでは歯科の受診が困難な高齢者が多くを占め、歯科受診のきっかけを逃していることがあります。これは介護スタッフと利用者が関わる時間が短いため、口腔内の問題を発見することが難しいということも原因の1つになっていると思われます。

しかも、通所サービスが口腔機能向上サービスを提供している割合は非常に低く、予防給付の運動器機能向上加算の算定率が58・7%あるのに対し、口腔機能向上加算はわずか1・5%、介護給付でも3・9%でしかないのが実情です。

そのため、通所サービスの利用者のなかには、咀嚼機能や義歯不適合等の口腔内の問題が長期間放置され、重症になってからはじめて歯科を受診したというケースが多く見受けられます。

厚生労働省の資料によると生活機能の向上に関する選択的サービス(運動器機能向上、栄養改善、口腔機能向上)のうち、複数のプログラムを組み合わせて実施した場合の方が、それぞれ単独で行ったプログラムに比べて、要介護度の軽度化の割合が高く、重症化の程度の割合が低いという改善成果が確認されています。また、口腔機能向上サービスは、口腔機能の改善ばかりでなく、生活自立度の改善や生活意欲の向上を促すということも明らかになっています。

多くの通所系事業所で口腔機能向上サービスを導入できない大きな理由は、口腔機能の低下している対象者の把握や、管理指導計画立案等においてサービスを担う専門職種を支援する歯科医院が見つからないためではないでしょうか。そんなときは訪問診療を行っている歯科医院に協力を要請してみてはいかがでしょう。歯科医院には介護保険からの報酬はありませんが、快く引き受けてくれることがほとんどです。

また、その際には、管理栄養士による栄養改善加算も含めて検討しましょう。

口腔内の改善と栄養の改善は非常に密接な関係にあるので、大きな相乗効果が見込まれます。熱心な訪問歯科医師ほど、摂食・嚥下機能の改善と栄養管理を一緒に取り組みたいと考えているからです。

「通所系介護事業所の口腔機能向上サービス」のまとめ

ここがポイント
  • 通所サービスが口腔機能向上サービスを提供している割合は非常に低い
  • 訪問診療を行っている歯科医院の協力を得ることで、口腔機能向上サービスの提供が可能になる

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