合わない入れ歯の対応法

実践!口腔ケアマニュアル

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「そもそもオーダーメイドで作られているはずの入れ歯が、なぜ合わなくなるのか」。こうした疑問を持つ方は多くいらっしゃるでしょう。その原因は大きく3つあるといわれています。

1.骨の変化
入れ歯を支える土台となる顎の骨は日々変化しています。古い骨が分解され壊れる(骨吸収)一方で、新しい骨が作られる(骨形成)という新陳代謝をくり返しています。しかし、高齢者はこの新陳代謝が活発でないため、骨吸収に対して骨形成が遅いため骨が痩せて、小さくなるのです。つまり「土台」が小さくなるので、入れ歯と口腔粘膜の間にすきまができ、その結果、入れ歯が合わなくなるのです。また骨吸収の速度は、糖尿病等の全身性代謝障害の患者さんほど速く進行すると言われています。

2.入れ歯の摩耗
長く入れ歯を使っていると、噛むことにより入れ歯自体がすり減って、上下のかみ合わせに変化が生じます。その結果、入れ歯が「合わなく」なるのです。

3.入れ歯の汚れ
入れ歯にも食べかすや歯垢(デンチャープラーク)が付きます。そのなかのカンジダ等の菌類が入れ歯の床を作っている素材に侵入し、変質を起こします。さらに、だ液中のカルシウム等が沈着して歯石のようになり、入れ歯の床の粘膜面に付着すると形が変わり、入れ歯が「合わない」状態になるのです。

合わなくなったときの応急処置として使われるのが、入れ歯安定剤です。市販されているものは、口腔に固定する方法によって、「義歯粘着剤」と「ホームリライナー」に分けられます。「義歯粘着剤」には口腔内の唾液や水分に働きかけ、唾液の粘性を高めて入れ歯の維持力を増加させるもので、さらに次の3タイプに分類できます。

粉末タイプは、濡れた入れ歯に振りかけて使うものです。使用法が簡単で厚みもほとんどなく、十分な吸着力が得られますが、耐久性には劣ります。

クリームタイプは、入れ歯の粘膜面に塗って噛み合わせるものです。粉末タイプに比べ長持ちし、粘着力も大きいので、がたつきのひどい入れ歯に適しています。

テープタイプは、リボン状で入れ歯に沿う形になっています。厚みがあり、口腔粘膜にややなじみにくいので、水に湿らせて使います。使い方は簡単ですが不潔になりやすいため、頻繁な取り替えが必要です。

一方、「ホームリライナー」はゴム状でクッション性があり、入れ歯と粘膜の隙間がある人に向いています。粘着剤に比べて汚れにくく、繰り返し利用できますが、厚みがあるので噛み合わせの高さが変わりやすく、接着力も強く、除去が難しくなります。

合わない入れ歯を使い続けると、特定の部位に圧力がかかることで痛んだり、口腔粘膜に潰瘍ができたり、かみ合わせがずれてしまうこともあります。ともかく、義歯安定剤は応急処置と考えて、歯科医師に相談するのが一番です。

「合わない入れ歯の対応法」のまとめ

ここがポイント
  • オーダーメイドで作られているはずの入れ歯が合わなくなるのは、
    1.骨の変化
    2.入れ歯の摩耗
    3.入れ歯の汚れ
    が主な原因

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