お口の中の細菌
健康な人でも、歯や舌の表面や粘膜などに、数百万種類もの細菌がすんでいるといわれています。
生まれたばかりの赤ちゃんは、無菌状態の羊水の中で過ごしていたので、口の中も無菌状態です。しかし、いつしか母親や家族から赤ちゃんの口の中に細菌が移って定着します。歯が生えるようになると、むし歯の原因となるミュータンス連鎖球菌なども現れて、細菌の種類が増えていきます。母親がこの菌をたくさんもっていると、子どもにむし歯が発生しやすくなるという報告もあります。
また、細菌の種類は体調やホルモンの変化によっても変わるといわれています。
お口の中の細菌はだれもがもっているものであり、健康で正常にコントロールされていれば、異常に増えることはありません。
しかし、高カロリーでやわらかい食事が多い現代人は、昔の人に比べるとお口の中の細菌は増加傾向にあるといわれています。
さらに、お口の衛生状態がよくない高齢者では、若い人よりもたくさんの細菌がみつかるといわれています。そして、お口の細菌が誤嚥性肺炎の原因になることもあります。
お口の中の細菌を増やさないためにも、口腔ケアをしっかり行うことが大切です。