「吹き戻し」で口腔リハビリ
「吹き戻し」は口にくわえて勢いよく息を吹き込むとピーッと音が鳴り、吹くのをやめるとクルクルと戻ってくる笛のおもちゃです。「巻き笛」「ピロピロ笛」などとも呼ばれ、お祭りや縁日などでも見かけるなじみのあるおもちゃですが、これを口腔機能訓練にも活用することができます。
「吹き戻し」を吹くことで、しっかりとした腹式呼吸ができるようになり、唇や口の周りの筋肉も鍛えられます。呼吸が安定して唇の機能が向上すれば、嚥下もスムーズになり、誤嚥予防につながります。
一気に息を吹き込んで伸ばしたら、その状態を5〜10秒キープすることを意識します。これを1回として、1セット10〜30回を目安にし、1日に3セット行うのが理想的です。
この訓練は広島県のモデル事業として複数の病院や施設で実施され、呼吸機能に大きな改善効果が見られたと報告されています。
この方法で呼吸機能が改善されると安全に嚥下できるだけでなく、会話を楽しみながらの食事もスムーズにできるようになると期待されています。
なつかしいおもちゃを使うので、高齢者も楽しくトレーニングができます。「吹き戻し」を口腔リハビリに取り入れてみてはいかがでしょうか。