食べやすい食事の工夫 “刻み”と”とろみ”
歯が弱くなり、噛む力が衰えた高齢者に、食材を細かくする「刻み食」を提供することもあるでしょう。
確かに大きさや形を変えることも飲み込みやすくなる工夫の一つです。
けれども、舌の動きがあまりよくない人や飲み込みに問題がある人にとっては、刻み食は一見食べやすそうに見えても逆効果になることがあります。
食べ物は噛むことで唾液とまざりあって飲みやすくまとまりますが、刻んだ食材は口の中でまとまりにくいため、食片が口の中に残りやすくなります。
それを何かの拍子に気管に吸い込んでしまい、むせや誤嚥の原因になることもあるのです。
舌の動きや飲み込みに問題がある人には、食材をやわらかく煮たり、とろみをつけたり、ムース状にしたりなど、かたさに考慮することが大切で、そのほうが細かく刻むよりも効果的です。
高齢者一人ひとりの状態をしっかり把握して、おいしく安全に食事を楽しめる工夫をしてください。