介護事業所との連携と報酬

訪問歯科診療では多職種との連携が重要です。ここでは、介護事業所が算定する口腔関連の報酬を整理します。

介護保険施設等が算定する加算と 歯科医院の協力内容

1. 口腔衛生管理体制加算

口腔衛生管理体制加算は、歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が介護職員に対する口腔ケアに係る技術的助言及び指導を月1回以上おこなっている場合に、利用者1人に月30単位を算定します。

口腔衛生管理体制加算のながれ

口腔衛生管理体制加算を算定できるのは、次の介護事業所です。

介護福祉施設、介護保健施設、介護療養施設、介護医療院、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、特定施設入居者生活介護(地域密着型を含む)、認知症対応型共同生活介護。

図解:口腔衛生管理体制加算(30単位/月)

2. 口腔衛生管理加算

「口腔衛生管理加算(90単位/月)」は、介護老人福祉施設(地域密着型を含む)、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、介護医療院が算定するもので、口腔衛生管理体制加算を算定している施設であることが前提です。

口腔衛生管理加算と口腔衛生管理体制加算

歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が入所者に月2回以上の口腔ケアを実施し、入所者の口腔ケアに関する介護職員への具体的な技術的助言・指導をおこない、介護職員からの口腔に関する相談などに必要に応じて対応する場合に算定します。

図解:口腔衛生管理加算(90単位/月)

口腔衛生管理加算のながれ

なお、訪問歯科衛生指導料が算定された日の属する月においては、訪問歯科衛生指導料が3回以上算定された場合には算定できません。

3. 経口維持加算

経口維持加算は、歯科医師が指示を行う場合は、指示を受ける管理栄養士等が、対象となる入所者に対する療養のために必要な栄養の指導を行うに当たり、主治の医師の指導を受けている場合に限られています。

経口維持加算(Ⅰ)

経口維持加算は、(Ⅰ)と(Ⅱ)の2階建てです。経口維持加算(Ⅰ)は、経口維持加算(Ⅱ)を算定していない場合には算定できません。

経口維持加算(Ⅰ)と経口維持加算(Ⅱ)

経口維持加算は、栄養マネジメント加算を算定していない場合には算定できません。

■対象患者

経口維持加算の対象者は次の条件をすべて満たす者です。

  1. 現に経口により食事を摂取している者
  2. 摂食機能障害を有している者(食事の摂取に関する認知機能の低下を含む)
  3. 検査結果から、誤嚥が認められる者(喉頭侵入が認められる場合及び食事の摂取に関する認知機能の低下により誤嚥の有無に関する検査を実施することが困難である場合を含む)
  4. 継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な管理が必要である者
  5. 医師又は歯科医師の指示を受けた者

■実施内容

  1. 経口維持計画の作成
    月1回以上、医師、歯科医師、管理栄養士、看護職員、言語聴覚士、介護支援専門員その他の職種の者が共同して、入所者の栄養管理をするための食事の観察及び会議等を行い、継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な管理の方法等を示した経口維持計画を作成する。
  2. 同意を得る
    計画については、特別な管理の対象となる入所者又はその家族に説明し、その同意を得る。
    *「特別な管理」とは、入所者の誤嚥を防止しつつ、継続して経口による食事の摂取を進めるための食物形態、摂食方法等における適切な配慮のことをいう。
  3. 実施
    経口維持計画に基づき、栄養管理を実施する。

■算定期間

継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な管理により、入所者に摂食機能障害及び誤嚥が認められなくなったと医師又は歯科医師が判断した日までの期間です。

入所者又はその家族の同意を得られた日の属する月から起算して6月以内の期間に限ります。算定期間を超えた場合においては、原則として算定しません。

ただし、次の3つに該当する場合は、引き続き算定できます。

  1. 水飲みテスト、頸部聴診法、造影撮影、内視鏡検査等により、引き続き、摂食機能障害及び誤嚥が認められる
  2. 継続して経口による食事の摂取を進めるための特別な栄養管理が必要であるものとして医師又は歯科医師の指示がなされる
  3. 当該特別な栄養管理を継続することについての入所者の同意が得られている

*医師又は歯科医師の指示は、おおむね1月ごとに受けることになっています。

経口維持加算(Ⅱ)

経口維持加算(Ⅱ)の算定要件は次の通りです。

  1. 経口維持加算(Ⅰ)を算定していること
  2. 協力歯科医療機関を定めていること
  3. 食事の観察及び会議等を実施すること
  4. 医師(指定地域密着型サービス基準第131条第1項第1号に規定する医師を除く)、歯科医師、歯科衛生士又は言語聴覚士のいずれか1名以上が加わること。
  5. 多種多様な意見に基づく質の高い経口維持計画を策定すること
訪問歯科 医療事務マニュアル

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