訪問歯科診療ニュース カムカム通信 歯から元気!「カムカム通信」は、訪問歯科診療の普及のために当協会が発行しているレポートです。介護事業所での口腔ケアへの取り組み事例をご紹介しています。

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  • 2012.06

COMECOME倶楽部

くつろげる自宅のような空間で、「生活リハビリ」を実践してい る【和楽庵】(福岡県北九州市)。『お口の健康相談会』を行ったと ころ、利用者様は、生活動作の一つである口腔ケアにさらに前向きに取り組むようになりました。

日常生活を楽しむ「生活リハビリ」が機能向上につながる

日常生活を楽しむ「生活リハビリ」が機能向上につながる

私ども『和楽庵』では、平成15年の開所当初から、「生活リハビリ」に力を入れています。体操など身体的な訓練だけが機能訓練ではなく、朝起きる、顔を洗う、歯を磨く、お化粧をするという日常生活の動作一つ一つが機能訓練だという考え方です。
また、毎日楽しんで過ごすことが、ひいては機能向上に繋がっていくという考えから、デイサービスを楽しんでいただくために、いろいろなメニューを用意しています。音楽の時間には声楽のプロの方に来ていただいたり、陶芸は萩から先生をお招きしたり。デイサービスのお年寄り向けのレクリエーションというよりも、一般のカルチャーセンターの講座と同じ感覚で取り組んでいます。いくつかのメニューを用意して、当日、どのクラブに参加したいか、利用者様に選んでいただきます。介護側からの一方的な提供ではなく、利用者様の自主性を大切にしています。

『相談会』で習ったことの実践が次の目標に 口腔ケアも生活動作の一つ。朝いらっしゃったときのうがいと手洗い、食後の歯磨きは当然のこととして行い、必要な方には義歯のお手入れなどを通常のサービス内で行ってきました。
先日は『お口の健康相談会』も行いました。ある方は、ご自分の舌が白いことを気にされていたのですが、それが「舌苔」というもので、お手入れをすればきれいになるということを先生に教えていただき、とても喜んでいらっしゃいました。「舌苔を取るという目標ができた」という前向きな言葉を聞き、相談会を行ってよかったと思いました。
お家でもお口の中まではなかなか見られないので、『お口の健康相談会』で様子を見ていただけるのは助かるというご家族の声もありました。
利用者様は前向きな方が多いので、アドバイスをいただいたケア方法をお家でやりすぎていないかという心配もあります。お一人ずつの感想を聞いてその記録をとることで、口腔ケアをさらに充実させたいと思っています。 体とお口の健康は日々のケアの積み重ねで保たれる 低栄養や気道の感染、誤嚥性肺炎の予防など、全身の健康とお口の健康は大いに関連していて、日頃のケアや早めの治療など、一つ一つの積み重ねの上に成り立っていきます。私たちも勉強しなければいけないことがたくさんあるので、今後はスタッフの勉強会なども行っていきたいと考えています。
4月の介護保険の改正で、運動と栄養と口腔ケアという流れができてきているので、そのタイミングで『相談会』ができたことはよい機会になりました。口腔ケアの重要性を、ご家族の方、ご利用者様、ケアマネさんに理解していただけるような取り組みを今後も作っていきたいと思います。

ワンポイントアドバイス 今日から始める。簡単お口のケア!

食中毒予防と口腔ケア食中毒は、「細菌」や「ウイルス」などが原因で起こります。細菌は、温度や湿度などの条件が揃うと、食べ物の中で増殖します。
食中毒は1年中発生しますが、湿度や気温が上昇する梅雨時から夏(6~8月)にかけては、細菌が繁殖しやすい環境となるため、特に細菌性の食中毒が発生しやすくなります。
食品衛生法で定める食中毒菌には、腸管出血性大腸菌(O│157など)、カンピロバクター菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌など16種類があります。
健康な人でも口の中には500種類以上の細菌がすんでいると言われていますが、その中には、食中毒の原因菌になる黄色ブドウ球菌も含まれています。歯垢(プラーク)は、さまざまな細菌が密着してスクラムを組んでできているため、歯垢が増えれば黄色ブドウ球菌もさらに増加して、食中毒が起こりやすくなる可能性もあるのです。
「菌を増やさないこと」「菌をつけないこと」「殺菌をすること」が食中毒を防ぐための3原則ですが、お口の中の菌を増やさないようにして、食中毒のリスクを減らすためにも、口腔ケアは大切です。

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