訪問歯科診療ニュース カムカム通信 歯から元気!「カムカム通信」は、訪問歯科診療の普及のために当協会が発行しているレポートです。介護事業所での口腔ケアへの取り組み事例をご紹介しています。

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  • 2019.05

COMECOME倶楽部

【グループホームソフトハンド浜田】(秋田県)では、長年、『お口の健康相談会』を定期的に実施し、利用者様のお口の状態が向上していくことを実感しています。今後はお一人ひとりに合ったケアができるよう、職員も積極的に口腔ケアを学びたいと考えています。

利用者様のお口の機能が向上していく喜びを実感

利用者様のお口の機能が向上していく喜びを実感 グループホームソフトハンド浜田 管理者 三浦靖子さん 入所されている利用者様の内科面については、協力していただいているクリニックの先生に往診していただいたり、紹介状をいただいて病院を受診したりしていましたが、以前は歯のことまではなかなか手が回らない状態でした。入所の際に「むし歯があったら歯科治療をしますか?」と確認しますが、ご本人から訴えがなければ、お口の中の状態は把握しきれずにいました。

けれども、『お口の健康相談会』を実施するようになってからは、お口に不具合が見つかった方は、訪問診療で治療が受けられるようになりました。利用者様からも「歯医者さんに来てもらえるのはありがたい」という声が寄せられています。 『相談会』と訪問診療でお口の状態をしっかり把握 ずっと義歯を持っていらっしゃらなかった方は、先生からの勧めもあり、ご家族にも相談して作りました。物が噛めるようになったりしっかり飲み込めるようになったりして、お口の状態はかなり向上しました。ほかの利用者様も義歯の状態を定期的に見ていただいたりしています。

定期的な『お口の健康相談会』の結果や訪問歯科診療の経過は書面で報告をいただくので、私たちにもわかりやすく、お一人ひとりの口の状況が理解できます。

先生にみていただくことで、食べやすくなったり、ご飯がおいしくなったりすることにつながっていくのは、とてもよいと思います。利用者様のお口の中がだんだんきれいになっていくのは、私たちにとってもうれしいことです。 今後はぜひ職員向けの勉強会も 介護の資格を取る際に私たちも口腔ケアのことは少し勉強しますが、しっかりと学ぶ機会はなかなかなかったので、これまで口腔ケア体操なども見よう見まねで行ってきました。

現在の利用者様の多くは、自分でお食事ができて、自分で口腔ケアができる人が多いのですが、今後は介助が必要なケースも出てくると思います。少し飲み込みが心配な方、お食事に時間がかかる方などがいて、先生に相談したところ、呼吸や発声の練習をすることが口腔機能向上のリハビリにつながると教えていただき、取り入れています。

スポンジブラシや舌ブラシの使い方、口腔ケアの介助のやり方なども事前に知っておきたいので、今後は職員向けの勉強会などもぜひお願いしたいと思います。

ワンポイントアドバイス 今日から始める。簡単お口のケア!

歯周病と栄養素歯周病は歯を失う原因としても知られている病気です。高齢者のお口のケアで、むし歯以上に注意が必要です。
次の症状は歯周病のサインです。当てはまるものがあったら、なるべく早く歯科医師に相談しましょう。

1.歯肉が赤や紫になっている。
2.歯みがきなどで歯肉から出血しやすい。
3.歯と歯の間の歯肉が丸く腫れている。
4.歯と歯の間の歯肉がやせて隙間ができている。
5.歯が揺れるようになった。
6.歯が伸びてきたように見える

また、食習慣も歯周病に大きな原因になります。歯周病は歯肉を構成するコラーゲン線維が破壊された状態ですが、ビタミンCにはコラーゲン線維の再生を促し、歯肉を健康に保つ働きがあります。また、骨の形成を促すビタミンDやカルシウムは、丈夫な歯を維持する効果が期待できます。

一方、糖質と脂質は歯周病を進行させるというデータもありますので、摂り過ぎには注意しましょう。

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