訪問歯科診療ニュース カムカム通信 歯から元気!「カムカム通信」は、訪問歯科診療の普及のために当協会が発行しているレポートです。介護事業所での口腔ケアへの取り組み事例をご紹介しています。

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  • 2017.08

COMECOME倶楽部

【日生デイサービスセンターきずな赤羽台】(東京都)では、利用者様の口腔機能の維持のために、食事前の口腔ケア体操や『お口の健康相談会』などを取り入れています。

自分のお口で食べられる環境作りも私たちの役目

自分のお口で食べられる環境作りも私たちの役目 日生デイサービスセンターきずな赤羽台 管理者/榎本和子さん 認知症を発症している方の中には、歯医者さんに診てもらう必要があっても難しいケースがよくあります。「お口を開けてください」と言っても、開けてくれない方も多くてなかなかうまくいかないのです。だから、口腔のことに関しては、ご家族もあまり対応できていないところがどうしてもありました。 普段は口を開けない人も『相談会』ではスムーズ 利用者様のお口の状態を把握するきっかけになればと、今年一月に『お口の健康相談会』を実施しました。

先生がとてもおだやかに対応してくださったので、普段はお口を開けたがらない方、途中で怒り出すんじゃないかと心配だった方も、利用者様の誰ひとり拒否することなくお口を開けていたことに、正直驚きました。

先生や歯科衛生士さんのやさしい声掛けと応対によって、すべてがスムーズでした。こんなにスムーズにできるのならば、訪問歯科などももっと利用できるのではないかと期待が持てました。

認知症が進むにつれて、習慣だった歯みがきがだんだんできなくなる方もいます。できなくなってしまったことをまたできるようにするのは大変なことです。小学生の時の歯みがき指導のように、みんなで一緒にやれば思い出すかもしれないので、今後は先生にそうした勉強会などもやっていただきたいと考えています。 口腔機能を維持できるよう歯科医師との連携を大切に 当センターでも、食事の前に唾液腺マッサージやパタカラ体操など、お口の筋肉をやわらげたり、飲み込みのための体操などを行ってきました。飲み込みのレベルが落ちている方については、食事でいつもと違う様子が見られた時には、その都度ご家族の方にお伝えしてきました。

人にとって一番の楽しみは食べることです。食べるためにはお口の健康状態も含めて、歯科の先生に継続してみていただくことがとても大切だと思います。

心も体も健康な状態を維持していくためには、自分のお口で食べたいものが食べられるよう機能を低下させないことが重要で、そのための環境作りをすることも私たちの役目です。

心配事や悩み事をお話しできる機会を持てることは心強いので、これからも歯科の先生と連携を取っていきたいと思います。

ワンポイントアドバイス 今日から始める。簡単お口のケア!

口腔機能の衰えと滑舌年齢を重ねるとともに、口の機能はだんだん衰えてきますが、それによって会話にも影響が出てきます。最近、滑舌が悪くなってきた、しゃべりにくいと思うことがあるようならば、口腔機能が低下している可能性もあります。

加齢によって滑舌が悪くなる原因としては、唾液が減少することで口の中の潤いが減り、舌が動かしにくくなることや、口の周りや舌の筋力の低下などがあげられます。

舌の筋力の衰えを会話から読み取るには、「さしすせそ」の発音に注目してみるとよいでしょう。口を閉じて小さな声で話しているときは、しっかりと発音できていても、大きく口を開けて話すときには、「しゃしぃしゅしぇしょ」という発音になりがちです。

「さしすせそ」の発音が苦手になってきたときには、「あいうべ体操」などの口や舌のトレーニングをしてみるとよいでしょう。「あいうべ体操」は、「あ」「い」「う」と大きく口を動かして、最後に「べー」と舌を突き出します。

おしゃべりをする機会が減ることでも舌や口の周りの筋肉は衰えるので、会話を積極的に楽しむことも大切です。

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