訪問歯科診療ニュース カムカム通信 歯から元気!「カムカム通信」は、訪問歯科診療の普及のために当協会が発行しているレポートです。介護事業所での口腔ケアへの取り組み事例をご紹介しています。

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  • 2016.02

COMECOME倶楽部

【介護老人保健施設つわぶき】(鹿児島県)では、『お口の健康相談会』への参加の希望を利用者様本人に確認していたところ、参加者が大幅に増えました。

『相談会』の参加意志は利用者様に直接確認

『相談会』の参加意志は利用者様に直接確認

『お口の健康相談会』を行うようになって3年になります。
1年目はご家族の方に連絡しましたが、無関心な方や悪い所が見つかっても忙しくて歯医者に連れて行けないからという方がたくさんいました。

せっかくの機会なので、少しでも多くの方に参加してもらいたいと考え、次の年からは職員が利用者様と1対1で面談しながら直接希望を聞いたところ、120〜130人中50人近くの利用者様が希望され、5回くらいに分けて行いました。

先生と話がしたいいろいろ伝えたい! 『お口の健康相談会』では歯医者さんが、一人ひとりにきちんと向き合い、歯茎の状態、義歯の噛み合わせ、潰瘍や赤くなっているところはないかなど、ていねいにみてくださいました。

総入れ歯の前歯の小さな欠けを指摘された方は、ご自身も気づいていなかったので、見つけていただいてよかったと喜んでいました。
特に問題を抱えていない人も、先生に「大丈夫ですね」と声をかけてもらうことが安心と自信につながります。
私たちも利用者様のお口の状態のすべてを把握することはできないので、相談会で先生が診てくださることはとてもありがたく感じています。
 
また、「前の入れ歯は合わなくて苦労したけど、今の入れ歯は調子がいい」など、家族にはなかなか伝わらないけど先生ならわかってくれる、家族や職員は忙しそうなので声をかけられないけど、1対1だから先生に話を聞いてもらいたいという方が多かったことが印象に残っています。

具体的な質問を熱心にしている方もいて、自分が聞きたかったこと、言いたかったことを言えてすっきりしたという方もいて、とても濃い相談会になりました。 自分は大丈夫という人こそ相談会に参加して欲しい 『お口の相談会』をやってから、昼食後の歯磨きをていねいにやる人が増えました。
以前は職員に促されてやる人が多かったのですが、今では皆さん自分から進んで洗面所に向かいます。
「もうきれいになっているので大丈夫ですよ。他の方とチェンジしましょう」とこちらから声をかけることもあるほどです。入れ歯をしっかり入れるようになり、転倒防止にもつながっていると思います。

お口の状態を整えて、自信を持っておいしくご飯を食べることがエネルギーの元になって、利用者様の元気とやる気につながります。

『お口の健康相談会』はこれからもぜひ続けていきたいです。先生に細かい所をみてもらって気づくこともあるので、自分はどこも悪くないと思っている人にこそ受けてもらいたいと思っています。

ワンポイントアドバイス 今日から始める。簡単お口のケア!

お風呂で歯磨きのメリットお風呂に入りながら歯磨きすることのメリットが注目されています。

●口の中の血行を促進
湯船に浸かりながら体を温めるついでに歯磨きもすることで、洗面台の前で立ってやるよりもリラックスした状態で、時間をかけてていねいに磨くことができますし、磨き残しも少なくなります。
また、体が温まることで歯肉や粘膜の血行も良くなり、歯磨き効果も高まります。

●若返り効果も!
体が温まってリラックスすると、副交感神経が優位になり、その状態で口の中を刺激すると、サラサラの唾液がたくさん分泌されるようになります。
唾液がたくさん出ることで口の中を洗い流す自浄作用が促進されます。
さらに、サラサラの唾液の中には成長ホルモンの一種である「パロチン」が分泌さています。
パロチンは「若返りホルモン」とも呼ばれ、若返りの効果が期待されるほか、全身の細胞の代謝が活性化して、歯や骨を丈夫にします。

●歯磨き粉をつけずにじっくりと
お風呂でゆっくり磨きたいときには、歯磨き粉をつけずに磨くとよいでしょう。
歯磨き粉をつけなければ、口の中が泡だらけになることを気にせずに、時間をかけてじっくり磨くことができます。

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