訪問歯科診療ニュース カムカム通信 歯から元気!「カムカム通信」は、訪問歯科診療の普及のために当協会が発行しているレポートです。介護事業所での口腔ケアへの取り組み事例をご紹介しています。

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  • 2004.10

COMECOME倶楽部

デイケア施投も併設する渡瀬病院(埼玉県川越市)のモットーは「未病を治す」。予防を重視した地域医療に取り組んでおり、口腔ケアにも力を注いでいます。

口腔ケアを含めた一人一人に合わせたテーラーメイドの医療を目指す

口腔ケアを含めた一人一人に合わせたテーラーメイドの医療を目指す

私の専門は消化器です。口は消化器の一番はじめの器官ですから、口腔ケアには関心をもっていて、以前から看護師にも口腔ケアに気を配るよう呼びかけてはいたのですが、系統だてた取り組みには至っていませんでした。
それが、SOSデンティストとの提携で、歯科医師との勉強会の場をもつことができ、口腔ケアのポイントが明確になりました。
当院では、高齢者や末期がんの患者さんを受け入れているのですが、やせて入れ歯が合わなくなってしまう方が多いのです。訪問歯科診療で入れ歯を調節してもらった患者さんで、口の痛みもなくなり、ずいぶん楽になったと喜んでいらした方がいました。残念ながらその方は亡くなられましたが、最後に快調に食べることができたのは、とてもよかったと思います。

胃瘻のキーステーションとしての役割 また、当院は胃瘻のキーステーションでもあります。大学病院からの依頼で当院で胃瘻を作って療養型施設に移られる方や、療養型施設からいらっしゃる方も多いんです。
胃瘻が入ってしまうと、口腔ケアにあまり気を配らなくなりがちですが、口腔内の細菌が肺炎の原因菌にもなるのですから、引善続き口腔ケアは行う必要があるのです。
これからは胃瘻の使い方の指導だけでなく、口腔ケアについての情報も、ご家族や転院先の施設の方にお話ししようと思います。私たちが勉強会で歯科の先生から習ったことを、また次の施設の方に伝えられるようにして、継続性をもたせたいと考えています。 口腔ケアも早期実施が大切 「未病を治す」。これは当院のモットーです。漢方の言葉で、未だ病にならざる、つまり予防治療のことです。口腔ケアにも言えることで、誤嚥性肺炎も口内炎も、口腔ケアによって予防できます。
ゼネラリストである開業医は、病気については広く浅い知識が必要だと言われます。けれど、個々の患者さんには「狭く深い関わり」が大切なんです。口腔ケアも含めて、その人に合わせたテーラーメイドの医療で未病を治す。必要があれば、専門病院をご紹介する。
これからも、一人一人に合った治療をデザインしていきたいと考えています 。

ワンポイントアドバイス 今日から始める。簡単お口のケア!

上あごと舌のケア口腔ケアは、歯や歯肉のブラッシングだけではありません。ロの中で大きな面積を占めているのは上あごと舌であり、ここの汚れが口臭の原因にもなります。
舌には古い細胞や細菌がつきやすいのですが、普通は食べたり話したりして舌が動いているうちに、ある程度は落ちてしまいます。
しかし、加齢などで舌の動きが鈍くなると、汚れがついたままになり舌と接する上あごにもその汚れがつきます。

舌と上あごのお手入れ法歯ブラシを使って、舌の上を奥から手前に10回、上あごも奥から手前10回、力を入れすぎずに書き出します。一度きれいにならなくても、毎日続けて少しずつ落としておきます。
口の中が乾燥しやすい人は、粘膜を傷つけないように、口に少量の水を入れて湿らせてから行います。
専用の舌クリーナーや粘膜用ブラシも市販されています。

発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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