訪問診療のための機器、機材の調達はどうすればよいのでしょうか。
ここでは、訪問診療の未経験者、初心者を対象としたアドバイスをお伝えします。
訪問診療のための持ち物は、基本パッケージといくつかのセットに分けておくと便利です。
目次
訪問基本パッケージ
■機械
ポータブルユニット(タービン、エンジン、超音波スケーラー、スリーウェイシリンジ、バキューム)、 / ポータブルエンジン / ポータブルレントゲン / パルスオキシメーター / 血圧計 / 手用スケーラー
■道具類
延長コード / ハンディー掃除機 / 小型のほうき / 懐中電灯 / ポット /ペットボトル /レジャーシート / 手鏡 / はさみ / カッター / ライター
■消耗品
水(ペットボトル) / 除菌スプレー / ティッシュ / ウェットティッシュ / ペーパータオル / ハンドタオル / ごみ袋 / 電池
■衛生品
紙コップ / エプロン / ゴム手袋 / マスク / アルコールワッテ / ポール綿 / カット綿 / 綿球(大 / 小)
訪問用基本セット
■器具類
基本セット(トレー、ピンセット、エキスカ、探針、セメント充填器) / 膿盆 / タービンバー各種 / エンジンバー各種(ストレート、コントラ用) / 各種研磨バー / ニッパー / プライヤー各種 / オートマレット / リムーバー / 咬合紙 / 開口器
■薬剤
抗生剤各種 / 鎮痛剤 / 含嗽剤 / 口内炎用治療薬 / 消毒剤(J/OX/AL/アクリノール) / ボスミン / アルコール消毒液
RCT・RCFセット
リーマーBOX / ファイルBOX / ピーソーリーマー / ラルゴリーマー / ルートキャナルシリンジ / ブローチ / クレンザー / 根管長測定器 / エンドゲージ / オキシドール / ネオクリーナー / F C/CC/ペリオドン/クレオドン / ストッピング / ユージノールセメント / 根管充填用ピンセット / ガッタパーチャ / スプレッター / プラガー / ヒートカッター / レンツロ / 根管充填用シーラー
抜歯・麻酔セット
注射筒 / 注射針 / キシロカイン / 表面麻酔 / シタネスト / ヘーベル各種 / 抜歯鉗子各種 / 鋭匙各種 / 歯肉ばさみ / メス / 持針器 / 縫合糸 / 縫合針 / 滅菌ガーゼ / ロール綿 / スポンゼル / オキシセルガーゼ
救急セット
救急セット一式 / 酸素(スポーツ用) / バンドエイド
CR セット
CRセット / CR充填器 / 光重合照射器 / ストリップス
鋳造物、義歯印象セット
■器材
ラバーボール / 印象用スパチュラー / 既製トレー(部分) / 無歯顎用トレー(A、B、C) / 湿BOX
■材料
アルジネート印象材 / ユーティリティーワックス / テクニカルボンド / イソコンパウンド / 寒天印象剤 / 石膏 / バイブレーター
セメント類セット
グラスアイオノマーセメント / 酸化ユージノールセメント / カルボキシレートセメント / エリートセメント
義歯作成・調整用セット
咬合床形成用ヘラ / ノギス / 咬合平面板 / ワックススパチュラ / エバンス / パラフィンワックス / ガスバーナー / 水性鉛筆 / 油性ペン / ラバーボール(お湯を入れるケース) / ティッシュコンディショナー / リベース材 / ユニファスト / 金冠ばさみ
口腔ケアセット
■手用
歯ブラシ(普通 / やわらかめ) / 歯間ブラシ(S / M / L) / 舌ブラシ / 義歯みがき用ブラシ / トゥースエッテ、スワブ / インタースペースブラシ / 舌クリーナー / 手用スケーラー / 歯磨剤 / ラバーカップ / 研磨用ペースト
文具・書類
■文具
ボールペン / シャープペンシル / 定規 / 消しゴム / 修正液 / 瞬間接着剤 / 両面テープ / のり / クリップボード / クリアファイル / クリアブック / ホワイトボード / 付箋
■書類
カルテ(1、2号紙) / 処方箋用紙 / 技工指示書 / 歯科疾患管理に係る管理計画書 / 訪問歯科衛生指導内容説明書 / 歯科疾患在宅療養指導に係る管理計画書 / 管理指導計画書 / 歯科診療情報提供書 / インフォームド / コンセント用説明資料 / 口腔ケア啓蒙用ポスター / 領収書 / 予約表 / 封筒
■その他
名刺 / 地図 / デジタルカメラ / 携帯電話
切削器具は必要
ほとんどの訪問診療に使う器具類は、外来で使っているもので賄えます。
しかし、歯科訪問診療料を算定するには、切削器具の常時携行が算定要件になっているため、ポータブルエンジンかポータブルユニットは欠かせません。
その他に、ポータルレントゲンを導入していると、レントゲン撮影のために外来に来てもらうこともありませんので、患者さんや介護者の負担は軽くなります。
ポータブルエンジンは、15万円以下で購入することができます。ポータブルユニットは80万円前後から、ポータブルレントゲンは60万円くらいからあります。
まずは医院のスタンスを決めてから
機材を揃える際、最初にまとめて投資をしていくか、まずはポータブルエンジンだけで始めるかは、医院の経営判断です。
ポータブルユニットについては、歯科医師会で貸し出しをしているところもありますので、初期投資ゼロからでも始めることは可能です。
しかし、訪問診療を本格的に始めようとされる方には、最初にまとまった投資をした医院の方が、その分本腰が入るので、結果として立ち上げに成功しているケースが多いのも現実です。
また、ある程度まとまった金額の購入になると、ディーラー側が在宅医療器材のための補助金や助成金などの調査や手続きを手伝ってくれるケースがあります。

出典:平成30年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査
最後までお読みいただきましてありがとうございます。
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