訪問歯科診療ニュース カムカム通信 歯から元気!「カムカム通信」は、訪問歯科診療の普及のために当協会が発行しているレポートです。介護事業所での口腔ケアへの取り組み事例をご紹介しています。

  • 23
  • 2005.03

COMECOME倶楽部

要介護認定者専用賃貸マンションの運営を行う「ライフサービス」(長崎市)では、施設職員と入居者がお互いに口腔ケアの認識を高めながら、積極的に受け入れています。

施設職員・入居者双方に向けた勉強会で「共通の認識」を築く

施設職員・入居者双方に向けた勉強会で「共通の認識」を築く

私どもの施設は1~2階がデイサービス、3~10階が要介護認定者を対象とした賃貸マンションです。スタッフが介護に当たりますが、各部屋にはヘルパーコールがついていて、24時間の健康管理と突発的な病気や通院に対応できるシステムになっています。
その一貫として、訪問歯科診療や歯科検診を取り入れています。導入の際は、職員向けに口腔ケアの勉強会を行ったところ、まず職員の認識が変わりました。口腔ケアの大切さを知り、自分の歯を1本でも多く残していただきたいという意識が高まりました。
以前も入居者の方を歯科医院にお連れすることがあったのですが、その時は送り迎えだけでした。しかし今では、訪問診療には職員が必ず立ち会い、状況を把握するために治療方針なども一緒に聞くようにしています。

入所者向けの勉強会で高まったご本人の予防意識 次に、職員だけでなく入居者様にもお口のことを意識していただくために、入居者に向けての勉強会も、歯科の先生にお願いしました。勉強会後、誤嚥性肺炎のお話などを聞き、皆さん、歯磨きなどを積極的に行うようになり、大きな成果が得られたと感じています。当日、出席できなかった方からもう一度やってほしいという要望もあり、今、第2弾も考えています。
また、これまでは歯が痛くなったから治療してほしいという方がほとんどでしたが、今は予防を含めて診ていただきたいという方も増えました。
突発的に歯が痛くなると、歯科の三浦先生は日曜日でも往診に来てくださるのでとても助かっています。ただ、問題点が1つ。それは、日曜日の治療でたとえば抜歯をした後に抗生物質の処方箋を書いていただいたときなど、薬局がお休みで薬が受け取れないことです。この問題が解決すれば、訪問診療がさらに充実すると思います。 訪問診療でお口の状態が改善されました! 入居者 成清 國大さん
「今まで自分で歯医者に行くことができなかったので、往診には感謝しています。虫歯の痛みがあったのですが、先生に抜いてもらったらすぐ楽になり、もっと早く抜いてもらえばよかったと思いました。また、歯石をとってもらい、とてもさっぱりしました。以前はよく歯茎から出血していたのですが、施設の職員の方が食後の歯磨きもしてくれるので、出血もすっかりおさまりました」

ワンポイントアドバイス 今日から始める。簡単お口のケア!

体調が悪いときの食事<2>床ずれがあるときの食事
床ずれは褥瘡(じょくそう)とも呼ばれ、長時間、同じ姿勢で寝ていると、皮膚が体重によって圧迫されて血行が悪くなり、皮膚が壊死することで起こります。
床ずれを治すためには、定期的に寝返りを打たせたり、圧力を分散させるマットなどを使ったりして、体の同じ部分にばかり圧力がかからないようにします。
また、床ずれでできた傷を早く治すためには、タンパク質や亜鉛、銅、ビタミンAなどをきちんと摂り、栄養状態をよくすることが大切です。また、血行をよくするためには、ビタミンCや鉄分も一緒に摂りましょう。
【ミルクココア】
亜鉛が豊富なココアに、牛乳のタンパク質を加えます。むせやすい場合は、ムースにするなどの工夫を。抹茶をお湯【カキのミルク煮】
カキは亜鉛や銅などのミネラルを豊富に含む食材。牛乳を使ってミルク煮やクリームシチューにすれば、カルシウムとタンパク質も補給できます。

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