訪問歯科診療ニュース カムカム通信 歯から元気!「カムカム通信」は、訪問歯科診療の普及のために当協会が発行しているレポートです。介護事業所での口腔ケアへの取り組み事例をご紹介しています。

  • 21
  • 2005.01

COMECOME倶楽部

株)ジャパンケアサービス(東京)が運営する、デイサービスセンターとヘルパーステーションを併設した『ハッピー新中野』。通所サービス、訪問介護、居宅介護支援を通じて、口腔ケアに取り組んでいます。

「食べる楽しみ」=「生きる意欲」それを支える口腔ケア

「食べる楽しみ」=「生きる意欲」それを支える口腔ケア

ヘルパーとデイケアサービスのスタッフを対象に、歯科衛生士さんによる口腔ケアの勉強会を開きました。奥歯のみがき方や入れ歯のつけ方の介助などを基本から教えていただき、口腔ケアの大切を改めて実感しました。
これまで、利用者様に口臭があっても何となくそのまま過ごしてしまうこともありましたが、勉強会後は気を配るようになりました。入れ歯や差し歯の間に汚れがたまっていて、それを取り除いたら口臭が簡単に解決したというケースもあり、勉強会が実践として非常に役立っています。

口腔ケアで痴呆やマヒの改善も! また、口腔ケアは、無関係に思える痴呆や脳梗塞などの症状の改善にも関連することも、再発見しました。
在宅介護の利用者様で、脳梗塞で右マヒがあり、食事も飲み物も、とろみをつけないとむせてしまう方がいたんです。それが入れ歯を治して、噛み合わせを調節したら、とろみ食からおかゆ、ついには普通食になり、見た目にもとても元気になりました。
「食べる」ことは、高齢者の大きな楽しみで、幸福な時間であり、生きる意欲にもつながります。噛めない、飲み込めないというのは、楽しみを半分奪っているようなもの。お口の状態が改善されると、目の輝きも違ってきます。生きる意欲は痴呆の予防にもつながると思います。 「介護度を下げる介護」を目指して… 食事の様子をみれば、その方のADLの状態がわかります。「食べる事なんてちっとも楽しくない」という方は、生きる意欲をなくしているように見受けられます。介護が必要でも、「あれが食べたい。だからヘルパーさん作って」と言えるのは、生きようという意欲がある証拠です。
また、食事は味覚だけでなく視覚でも楽しむものです。ドロドロの流動食では、食べ物の味はするけれど、見た目には楽しくありません。
今後、必要になってくるのは、「介護度を下げて、元気にさせる介護」です。健康で長生きするには食べることが要であり、そのためには口腔ケアは欠かせません。これからも、定期的に勉強会を開き、私たちもスキルアップして、口腔ケアに重点をおいた介護をやっていきたいです。それによって、どれだけ利用者様が元気になるか、またご報告したいと思います。

ワンポイントアドバイス 今日から始める。簡単お口のケア!

ノドに詰まりやすい食べ物●唾液の減少が一因
加齢とともに唾液の分泌量が減り、口の中が乾燥しやすくなります。
すると、クッキーのようにぱさぱさしたものや、海苔のように口の中にはりつくものなどを食べると、むせたりノドに詰まりやすくなったりします。また、つるりとのどごしがよいものでも、勢い余って誤嚥することが危険性があります。おもちのように、粘りけが多い食べ物も要注意。
水分の少ないものは水と一緒に食べ、詰まりやすいものは小さくして食べるように工夫しましょう。
●特に詰まりやすい食べ物
1.おもち
2.刺身
3.寿司
4.魚の骨
5.りんご
6.かまぼこ
7.海苔、わかめ
8.こんにゃく
9.ゴマ、豆類
10.カステラ

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