訪問歯科診療ニュース カムカム通信 歯から元気!「カムカム通信」は、訪問歯科診療の普及のために当協会が発行しているレポートです。介護事業所での口腔ケアへの取り組み事例をご紹介しています。

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  • 2018.06

COMECOME倶楽部

デイサービスおおて/おおて居宅介護支援事業所/サンユーメディカル訪問介護事業所を運営する【サンユーメディカル有限会社】(愛知県)では、年1回の『お口の健康相談会』を実施。デイサービスでは口腔ケア体操を積極的に取り入れて、利用者様のお口の健康維持に務めています。

利用者様にお口の健康を知ってもらうきっかけに

利用者様にお口の健康を知ってもらうきっかけに サンユーメディカル有限会社 デイサービスおおて おおて居宅介護支援事業所 サンユーメディカル訪問介護事業所 代表取締役 河村さおりさん 当事業所と日本訪問歯科協会との出会いは、7~8年前に行ったスタッフ向けの口腔ケアの勉強会が最初でした。その後、デイサービスで年1回の『お口の健康相談会』を行っています。 お口の健康相談会の結果はケアマネとも共有 年1回の『お口の健康相談会』で歯医者さんにお口の中をしっかりみていただくことは、私たちが利用者様のお口の状態を把握するためにも、とてもよい機会です。先生からいただく報告書の内容は、ケアマネジャーさんとも共有しています。
相談会では、「歯が実年齢より30歳若い」と先生にほめられた方がいて、とても喜んでいらっしゃいました。後日、歯医者さんに行き歯石を取ってもらったそうで、「8020」の表彰を目指して前向きに取り組まれています。
歯が1本もないから歯磨きもしなくていいだろうと、口腔ケアを何もされていない方もいらっしゃいました。そういう方には、先生が「歯がなくてもお口を清潔にしなければ誤嚥性肺炎になる」というお話をされていました。
年に1回の相談会はお口の健康が大切だという気づきを与えるよいきっかけになっていると思います。
相談会の結果から、訪問歯科診療につながる利用者様も増えています。認知症の利用者様はご家族が申し込まれましたが、歯医者さんに連れていくのは大変なので自宅に先生が来てくれるのはありがたいと喜ばれていました。 昼食とおやつの前はしっかり口腔ケア体操 高齢者は体調を崩して食事が食べられなくなると、あっという間に体力が落ちます。デイサービスに来ても皆さんと同じものが食べられなくなったり、来ること自体が大変になったりするのを間近で見ていますので、お口から噛んで食べることの大切さを利用者様にもお伝えしています。
当施設では、昼食とおやつの前には唾液腺マッサージや「パタカラ」などの口腔ケア体操を積極的に行っています。97歳のある利用者様は、以前は唾液を飲み込む時や食事中にしょっちゅうむせていたのですが、体操をするようになってからむせることがなくなりました。102歳の方もまったくむせずにお食事が取れています。口腔ケア体操を続けてきてよかったと、ちょっと誇らしく思っています。
利用者様のお口の健康のためにも、そろそろまたスタッフ向けの勉強会などを行って、知識の幅を広げていきたいですね。

ワンポイントアドバイス 今日から始める。簡単お口のケア!

痰を出しやすくするコツのどの筋肉が衰えて嚥下機能が低下すると、痰がたまりやすくなってきます。以前は咳払いをで痰を吐き出せていた人も、加齢の影響で難しくなる場合もあります。
咳払いをしても痰が取れないと感じる時には、胸の上側、痰がたまっていると感じられるのどの下側あたりに手のひらを押し当てて、咳をするタイミングで圧迫します。圧迫することで、気道の空気の流れが速くなって痰を排出しやすくなります。
また、ゆっくり息を吸い込んだ後に声を出さずに、「ハッ、ハッ」と強く速く息を吐き出し、その後に咳払いをすることでも痰が出やすくなります。
痰が絡んでつらそうな人の介助をする時には、手のひらの中央部分をくぼめておわんのような形にした状態で、咳のリズムに合わせて背中を叩きます。前屈みの姿勢になってもらい、背中に耳を当てて「ゼーゼー」と音が聞こえる部分を叩くと出やすくなります。

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